MGT 475 Research for Marketing Decisions
前期の授業の振り返り、今回はMarketing Researchクラスについて。マーケティングリサーチ手法&分析手法を基礎からやっちゃおうぜというクラスであります。担当はProfessor Vincent Nijs。修士までオランダで過ごし、その後マーケティングのPh.Dをベルリンで取得したあと10年間ケロッグでAssistant Professor、2010年に我らがRady Schoolに引き抜かれてやってきた。ちょうど僕らの年にProfessorへと昇格し、最初の授業では拍手が起きた。
最新のMacbookPro Retinaとコーラorゲータレードを欠かさず持ち歩く一見Nerd系の教授なのですが、これがまた好きな授業ランキング3本の指に入るくらいの素晴らしさ。必修科目にすべき、というくらいなので軽く覚え書き。
授業のしょっぱなは、まずNetflixがおかした2011年のプライシングミスは簡単なconjoint analysisをしていたら容易に防げた、という例からはじまり、『世界の企業が遣っている80%のマーケット調査は無駄遣いだ』とブチ上げる。すべてのマーケット調査は何かしらの意思決定と予め紐づいているべきであり、調査に何が含まれるべきか、どういうシナリオを描けるのか、アクションの一覧を明確にしないまま調査するのはナンセンスよ、と釘を刺す。
まずはケースをもとに「あなたがこの会社のセールスマネージャーだったらどんなデータが欲しい?」という議論をし、リサーチ手法、インタビュー手法、アンケート設計手法、データ取扱い、サンプリングを学び、最後にはRを使ってデータの相関/因果関係、回帰分析、クラスタ解析、ブランドマップなどを作って意思決定をしていく。
授業の内容もさることながら、進め方も素晴らしい。普通の教授は学校側が用意した学習管理システムを使うのだが、彼はそれが使い勝手が悪い、とフルスクラッチで自分でシステムを構築笑。大抵そういうのって出来が悪いのだけど完璧でそれだけで私ほれぼれ。
そしてややバズワードになりつつありますが、授業では”Flipped Classroom”というコンセプトを掲げる。詳しくはwikipedia 反転授業をご参照あれ。毎授業最初にはClickerを使ったクイズなど、飽きさせない仕組みがいっぱい。
これだけ消費者行動のデータがとりやすくなった今、これはビジネススクール生必須の講義になっていくと思います。素晴らしき。