Lost In Translation 10年前を振り返って

ソフィア・コッポラ映画のおはなし。

カルト的人気を博した彼女の代表作のひとつ”Lost In Translation” が、2003年9月12日から数えて公開10年を迎えたとのことで、インタビューに答えております。聞いたことない話も多く、ファンには興味ある内容だと思うので書き出しておきます。400万ドルの予算で1億2千万ドルの興行収入をたたき出したこの作品、低予算映画が大ヒットというのは世の中のあらゆる創作活動に従事する人を勇気づけるなあと思います。ちなみにわたくしサントラLP探しておりますので見かけた方はぜひ・・・!

引用元記事はこちら:
Sofia Coppola Discusses ‘Lost in Translation’ on Its 10th Anniversary

  • あの映画のアイディアはどこから?→20代のときに多くの時間を東京で過ごした。服屋をやってて(MILKFEDのことですね)、年に数回は行っていた。当時はLAに住んでいて、行き来しながら文化的差異について常に考えていた。当時は自分が何になりたいかさっぱりわからなかった、だからあの映画は実は私自身を投影したものでもある。
  • Bill Murrayをどうやって口説いた?→彼なしでは考えられなかったので一年くらい追っかけた。当時彼はエージェントがいなかったのでかなり流動的。共通の知人に脚本を渡してもらってお願いをしたが、最後の最後まで日本に彼が現れるか分からなかった。日本に来る便すら私たちに伝えなかった。
  • Scarlettは?→彼女の17歳のときの映画、Manny&Loを観て気に入った。特に低い声が気に入った。彼女がBillとどういうケミストリーを起こせるかは撮影直前にカメラテストをしないとわからない。あのふたりは会ったことすらなかったはずなので、うまくいくかどうかはバクチだった。
  • ふたりの年齢差にも関わらずあまり気持ち悪くなっていないところが映画の功績だと思うがどうか?(これは僕も超同意)→キャスティングがうまくハマった。もしBill以外の人がベッドに横たわっていたら気持ち悪く映ったかもしれない。恐らくBillの子供っぽさがうまくセクシャルな部分を抑えたのだと思う。
  • Giovanni Ribisiのキャラは当時のあなたの夫であるSpike Jonzeであり、Annna FariのキャラはCameron Diazだという噂がありますが?→特に誰かを意識したわけではない。ああいうパーソナリティーを持っている人を簡単に何人も挙げることができるわ。
  • Scarlettがベッドに横たわっている最初のシーンは、何にインスパイアを?→John Kacere(Google検索)という女性の下着姿を描くアーティストからとっている。映画を撮影するときにたくさんの参考写真をコレクションしていて、自分がパークハイアットに泊まったときの写真も参考にしている。バーで出会う赤い髪のシンガーは、実際にパークハイアットでパフォームしていた、彼女のマネージャーを見つけて追っかけた。
  • Lip my stocking!のシーンは面白い→同じストーリーを日本で働いている知人から聞いた。ああいう誤解を盛り込みたかった。
  • サントリーウイスキーのCM撮影シーンも愉快だ→父と黒沢明のサントリーコマーシャルからインスパイアを得ている、そのCMはサンフランシスコの自分の家で撮影した。日本にいくKevin CostnerがコーヒーのCMやっていたりとそういう西洋カルチャーの投影をよく観るのでそういうものを再現したかった。
  • 撮影クルーが何度か逮捕されかけたと聞いたが→撮影許可を持っていなかったので地下鉄や通りでとっていたら、どうやらその筋の人と関わりそうになったことが何度かある。撮影を中断しそうになったことも何度もあるが、やり直した。
  • 一番大変だったことは?→たった27日間で低予算の撮影、すべてがタフだった。日本人撮影クルーとの意思疎通も含めて。BillとScarlettがベッドに寝そべってテレビを観ているシーンはうまくいなかくて撮り直しが大変だった。
  • サウンドトラックもいいですね→ずっとPhoenixが好きだった、当時はまだあまり知られていなかった。Brian Reitzell(音楽スーパーバイザー)が東京ドリームポップミックスを作ってくれた。
  • 日本に行きたい!と思う若い女性が増えたのではと思います、あなたはもう日本ではVIPですか?→実はいちばん大変だったのはパークハイアットの許可をとること。彼らは撮影することをずっと嫌がっていて、朝の3時とか4時とかゲストを邪魔しない時間での撮影を望んだ。でもいまでは彼らがLost in Translationツアーをやっていると聞いた。また泊まりに行きたい。
  • 映画は非常にカルト的な評価を得ました→自分の周りに起こったこと、私が思ったことを映画にしただけ。だから誰も興味を持たないと思っていた。だからいまでも映画が評価されたことには驚いている。

22. September 2013 by admin
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