MGT459: Topics in Innovation – Scenario Planning
2年生冬学期履修のシナリオプランニングクラスの紹介。10人程度しか履修しないスモールクラスで、評判も未知なところがあったがシラバスを読んで面白そうだったので思い切って履修。
担当はDarius Sankey。Radyで教えるのは7年目。ランドコーポレーションやマッキンゼーなどでコンサルタントとしてのキャリアを経た後にベンチャー投資などにスイッチし、今はシカゴに本社があるOcean Tomoという彼のいうところの”Intellectual Capital Merchant Banc™”に勤めている。
頭キレキレで無駄な会話が少なく、生徒がプレゼントをはじめると3ページ目で激しい突っ込みをはじめる、最初はとっつきにくいタイプ笑
さてシナリオプランニングとは、とひとことでいえば単なる予測ではなく、複数の非連続的な変化を想定した思考シミュレーション。例の如くシラバスから意訳すると、このコースでは:非連続で不確実性の高い競争環境においてアーリーステージのテックカンパニーがどのように戦略を立てるべきか、基礎的なフレームワークを学ぶ。アプローチの手法として『シナリオプランニング』を用いて戦略立案をしていくため、履修者はストラテジーのコースを履修済みであることを想定した授業を行う。授業では2-3のテクノロジー業界に関して分析をする。ファイナルプロジェクトで各人がLab to Marketのクラスで取り組んでいるビジネスケースをチームで分析を深めプレゼンテーションをする。
授業のしょっぱなでは「20年後のパーソナルコンピューターはどうなっているだろうか?」という問いからはじまる。ウェアラブル、クラウド、ユビキタス、様々なキーワードがクラスを飛び交うなか、では現在のバリューチェーンはどうなっているのか?と観察し、技術、社会、政治、その他どんな変化要因や不確実性(Key Drivers of Change, Uncertainties)が明らかになったら競争戦略が立てられるか、ということを議論していく。業界全体の行く先を左右する質問を問いかけるとしたら果たしてそれはなにか、既存のプレイヤーのなかで一番有利なポジションにいるのは誰か、などなどが問われる。
そして授業での課題図書はWhat Customers Want: Using Outcome-Driven Innovation to Create Breakthrough Products and Services。題名だけみるといかにもなビジネス書だが、顧客をどう定義し新しいプロダクトを彼らに寄り添わせるかということを簡潔にまとめた名著。全然知られてなさそうだけどこれは再読したい。
我がチームは旅行業界を分析対象とし、既存のオフライン/オンライン旅行代理店がテクノロジーによってDisruptされているかをプレゼン。モバイルテクノロジーの隆盛によって旅行する際の事前プランニングの必要性が下がり、ガイドブックを読み込まずとりあえず現地に行く、というような消費者も増えている。また購買行動や検索履歴を押さえているクレジットカード会社やAmazon、Googleなどに消費者のプライバシー情報が集中した場合、彼らは旅行という消費者行動に対してどんなバリューが提供できるのか、またAirbnbをはじめとするPtoP Commerceの流れはどのように影響するのか、などなどをプレゼンしました。
かなり無名授業にも関わらず素晴らしい授業で履修してよかったーと自分のラッキーっぷりに感動するのですが、ひとつ気になったのは授業資料の汚さ笑。マッキンゼー出身者は矢印や図形ひとつひとつに決められたルールがあって… と聞いていたのですがぐちゃぐちゃでした笑。