非ビーチ的なサンディエゴの夏。

今日はKaoriさんに連れられて、サンディエゴのアートスポットをウロウロしてきた。サンディエゴも夏がいよいよ本格化、平日に海に行ってもLa Jolla ShoresやPacific Beachはややごちゃごちゃするようになってきたが、こういう過ごし方もできるのだよということでご紹介。

Kaoriさんはご夫婦揃ってアンティーク写真の収集家で、Kaoriさんご自身もMuseum of Photographic Artsで働かれていたことがある。ふたりの家にいくとレコードやら写真集やらフレームがごろごろしていて、永遠に片付かない子供部屋といった感じでとても居心地がよい。僕もモノが多くて散らかっている方が落ち着くタイプなので。

Balboa Parkの写真美術館、MOPA(Museum of Photographic Arts)で待ち合わせ。フォトジャーナリズムの展示をやっていたのだが、設立30年記念企画の寄贈作品を案内していただく。Henri Cartier-Bresson / Ansel Adams/ Robert Adams(波の連作すばらしい!)/Stephen Shore/Lee Friedlander/Michael Lightなどなど。そしてKaoriさんご夫妻が寄贈したMag shot、いわゆる警察で保管している犯罪者記録帳を見せてもらったのだがこれが超面白い。事実は小説より奇なり。しかし先日このMOPAにリチャード・ブランソンが来ていたとは知らなかった!

残りはあとで観ようね、ということで次に行ったのはSan Diego Museum of Art、通称SDMA。ここではなんとArnold Newmanの展示が!!アート、文化、科学、政治分野などで活躍する人たちのポートレートで有名な彼の作品がまとめて観られるということで疎い自分も興奮。代表作とも言われるStravinskyのポートレートもよいけど、個人的にはPolaroid社の倉庫?で撮った社員集合写真もとても好き。

早めに切り上げておなじBaloboa Park内にあるKaoriさんの知り合いのDavidさんのオフィスへ。彼はもともとMOPAに14年勤めたあと、House of Hospitality Associationのエグゼクティブディレクターに。仕事はよくわからない笑。氏はベースボールグッズコレクターでもあるらしく、オフィスの中にもいっぱい。ここ数年は新たなコレクションを足していないけど、ほうぼうから取材が来るくらいの筋金入りのコレクターだとか。

で、小腹がすいてきたのでランチでも、と表にでたらKaoriさんの旦那さんのTomに遭遇。向こうでやってたオケのリハが本当に素晴らしかった!と興奮してる。そのまま3人でランチ。Tomが日本で仕事してたときに地下鉄でこっそりポートレートを撮っていた話等を聞く。日本の地下鉄という場所は照明が奇跡的に美しいし、人々が動かず、人との交流も隔離された状態なので被写体として最適だという。

食後Arnold Newmanをもう少しじっくり観て、ミュージアムショップをぐるりと周り、クラフトビールの展示もちらりと観る。うむ、これはきちんともう一度観にこよう。

さて次はKaoriさん長年の知り合いの美術批評家Mark氏に会いにPoint Lomaのほうへ。氏は故クリフォード夫妻の遺産管理人。クリフォード氏は海軍中佐でありながら建築家/エンジニアでもあり、停泊先で買い付けを繰り返して軍艦で輸送。海軍のメモラビリア、葉巻、パイプをはじめ、ミッドセンチュリーの日本、中国、ハワイなどの品々や書籍をたくさんコレクションしていたそうな。遺産管理人のMark氏はそれをガレージから引っ張りだして売らなければ・・・という。

当然よいものは既に売れてしまっているけれども観に行ってみる?ということでのこのこと着いて行く。Kaoriさんがおっしゃる『海の男が前世紀に東洋へ行って集めたモノが詰まっていて摩訶不思議な宇宙を形成している』という形容通り異空間。

ああ、僕にもっとアンティークを観る目があったらと思うけど、気になったレコードとミッドセンチュリー的猫の置物+陶器を持ち帰らせてもらう。

なんだか孤独のグルメの主人公が仕事をしたあとみたいな疲労感に襲われた。あのひと確かインテリアの仕事でしたよね。このままどこかの定食屋に駆け込んで麻婆茄子定食に冷奴をトッピングしてビールと白米をどかっといきたいところだったのだがそんなものはサンディエゴにはないので笑、おとなしく家に帰るのでしたとさ。

19. July 2013 by admin
Categories: California, USA | Comments Off on 非ビーチ的なサンディエゴの夏。