近松心中物語
KAATで長塚圭史演出の『近松心中物語』初日を観てきた。儚い2組の男⼥を描いた悲恋の物語。
元禄時代は今ほど多くの情報がなかっただろうに、一目惚れして1ヶ月足らずで心中を試みるくらい覚悟を決めたり、婿入りという規定路線のレールが敷かれ選択が許されないがんじがらめの人生に嫌気がさしながらも、『お前が死ぬなら⼀⼈で死なせはしない!』と男気を見せたり、どこか短絡的なんだけど、人間らしいエネルギーに溢れる登場人物たちに、こんな時期だからこそ心が昂る。
実は私たち夫婦は石橋静河目当てでいそいそと出かけていったのだが、和物で時代物で関⻄弁…大丈夫だろうか…という杞憂はまったく的外れで、チャーミングなお亀を見ることができてよかった!
劇中音楽のスチャダラパーは、普通の拍子でもどこかMPCサンプリング感いっぱいで、大阪の騒唄にぴったり。
そしてなにより全編通して、うっとり聞き惚れるくらいセリフが美しかった。
帰りは中華街の誘惑に負けずに帰宅。