Casa Luis Barragan – ルイス・バラガン邸をたずねる
いまから12年前の2002年、大学2年生のときに東京都現代美術館へ『ルイス・バラガン 静かなる革命展』を観に行った。それ以来、メキシコという国にいつか行くことがあったなら必ずルイス・バラガンの作品を観ようと思っていましたがついにその機会が!
ルイス・バラガンとは誰、といえばメキシコ第二の都市グアダラハラで生まれた建築家。スペインのイスラム建築との邂逅などを経て、色鮮やかな壁や効果的な水の使用を特徴とする・・・とか、プロフィールだけ借りてきたような言葉で書くとたいそうな作品を生み出した偉人なのねと思うかもしれないのですが、彼の作品はひたすら静かであっけない。敬虔なクリスチャンで、『私の家は私の心の避難場所だった』という言葉や『建築は内側から考えるべき – すなわち外面は内面を突き詰めた結果にすぎない』という言葉からもわかる通り、作品のほとんどがあれ?ここ?というくらい質素な外観です。
さて今回訪ねたのはルイス・バラガン本人のお宅で氏が45歳のときの作品。邸内の撮影&公開は禁じられていますので、UNESCOのギャラリーでどうぞ写真はご覧になってください。
とにかく僕が心を奪われたのは、リビング入ってすぐの西向きの庭に面した十字窓。この窓にフレーミングされた庭は、どんな絵画よりも完璧な構図でした。ここにくるまで色々なルイス・バラガン邸の写真集を見てきましたが、百聞は一見に、一験に如かずというか、実際に足を運んだときの静寂さと、迷路のように入り組んだ構造を解き明かして行くワクワクは、これだけのためにメキシコシティまで来る価値、アリです。ほんとに。
ガイドしてくれたアンナはアートの学校に通っているらしく、単位取得のためにこの財団でガイドの手伝いをしているとか。風邪気味にも関わらず丁寧に案内してくれました。ちなみに屋台タコスは非衛生だから食べないそうです笑。
『静けさこそが、苦悩や恐怖を癒す薬です。豪華であろうと質素であろうと、静謐な家をつくることが、建築家の義務です。』
※ルイス・バラガン邸の見学は予約が必要です。オフィシャルウェブサイトからメールで英語で予約できますが、僕の場合は返事が返ってきませんでした。電話しても出てくれないので当日の朝いちばん10時半の時間帯に行って、その場で午後3時のアポをとりました。もし当日団体が入っていてだめだったら後悔してもしきれないですね・・・根気よくトライください。ヒラルディ邸やオルテガ邸も別途予約が必要です。特にオルテガ邸は、最近は訪問者を選ぶようです。それぞれ個人所有のお宅で、ルイス・バラガン財団が管理しているわけではないので、いつまで見学可能か分かりませんが、ルイス・バラガン邸はぜひおすすめします!
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